NSTの歩み 20周年記念誌
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表3.当院採用のPPN製剤一覧②NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM NNUUTTRRIITTIIOONN SSUUPPPPOORRTT TTEEAAMM表1.当院採用のTPN製剤一覧表2.当院採用のPPN製剤一覧①50NST通信?栄養ひろば第82号2023年4月TTOOHHOOKKUU UU..HH..文責:前嶋隆弘(薬剤部)(編集?発行)東北大学病院NST広報係NST通信?栄養ひろば担当TEL:7120FAX:7147静脈栄養輸液は、経口摂取が困難となった患者に選択される重要な栄養療法として用いられます。投与ルートの違いにより「中心静脈栄養(TPN)製剤」と「末梢静脈栄養(PPN)製剤」に分類されますが、両者の大きな違いは、栄養成分の組成と製剤の浸透圧にあります。以下に、当院採用のTPN製剤とPPN製剤の一部を紹介します。今後の栄養管理の参考にしてください。中心静脈栄養(TPN)製剤について高カロリー輸液とも呼ばれ、糖?電解質液を基本組成としており、さらに、アミノ酸、総合ビタミン、微量元素などが各々混合されたキット製剤があります(表1 参照)。高濃度の製剤であり、少ない液量で高い熱量が投与可能です。TPN 製剤は浸透圧が高いため末梢静脈から投与すると血管炎などのリスクがあるので、必ず太い血管から投与します。キット製剤以外や一部のキット製剤では、栄養素の偏り(微量元素、ビタミン、脂肪などの投与漏れ)に注意が必要です。また、キット製剤は複数の栄養成分が別室に充填されているので投与前の隔壁開通を忘れないよう注意が必要です。末梢静脈栄養(PPN)製剤について糖?電解質液、アミノ酸製剤、脂肪乳剤などを別々に投与することが基本となりますが、数種類の成分を含むキット製剤もあります(表2, 3 参照)。TPN 製剤より浸透圧は低いですが、PPN 製剤でも末梢静脈の血管炎が報告されています。また、TPN 製剤よりも一度に投与できる栄養成分が少ないため、長期間の投与では栄養が不足してしまいます。特に、ビタミンB1の不足が問題となるため、適宜、ビタメジン?やシーパラ?等の追加が必要です。なお、キット製剤ではTPN 製剤と同様に投与前の隔壁開通を忘れないよう注意が必要です。アミノ酸製剤では疾患?年齢別の製剤があるため、患者個々に合わせた選択が可能です。また、脂肪乳剤では吸収率の面から緩徐に投与する必要があります(下記参照)。推奨投与速度[(体重)/ 2 ]mL/hr※20%製剤の場合№№8822今回のテーマは「当院採用の静脈栄養輸液製剤」ですNST

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