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総合感染症科

対象疾患と診療内容

感染症全般

感染症は特定臓器の疾患に限らないため、総合的な診断、治療を心がけております。細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、原虫?寄生虫感染と多岐にわたる微生物の診断、治療を行っています。

HIV感染

宮城県におけるエイズ治療拠点病院として、HIV感染症の診断と治療を行っています。

渡航者感染症

渡航者下痢症、デング熱などの診療を行っています。

院内発症の感染症の診断?治療

本院には様々な原因疾患に対する治療目的で入院されている方の中で、手術、化学療法、放射線治療を行っていく中で、患者さんの免疫状態によっては、普段かからないような日和見感染症や治療の一環で挿入される体内デバイスに起因した感染症を発症する方が少なからずおります。
当科では当院の感染管理室および微生物検査室と協力の上、入院中の患者さんの感染症にも積極的に対応しています。

診療の特色

  1. 臨床で得られた知見をもとに薬剤耐性菌の分子疫学的手法を用いた解析や感染症の重症化因子に関しても検討を行っています。
  2. 「感染症コンサルテーション」
    2009年3月より病院内のさまざま感染症に対して院内コンサルテーションを実施しています。診察依頼や電話相談に加えて、入院患者さんの状態や検査データなどから、感染症の診断?治療、予防策に関する助言を感染管理室と協力しながら行っています。
    ?血液培養や髄液培養陽性時
    ?MRSAなどの薬剤耐性菌検出時
    ?Clostridium difficile toxin 検出時
    ?インフルエンザウイルスなどの検出時
    ?抗酸菌(結核菌を含む)検出時
    ?抗菌薬適正使用の推進
    ?感染対策へのアドバイス
  3. HIV感染者からのウイルス分離および解析
    仙台地区で発生した新規HIV感染者の血液からウイルスを分離し、分離ウイルスの特性の解析、薬剤耐性の分析などを行っています。
  4. COVID-19入院診療
    宮城県のCOVID-19診療体制の中で、当院は重症化が危惧されるリスク因子を有する患者や、他院では診療困難な基礎疾患を有する患者、重症患者、血液透析患者、妊婦、小児などの入院診療を担う医療機関に位置付けられています。(2022年7月25日まで、入院患者485人)

年間症例数

(2023年度)

<外来>新患
(院内コンサルテーション含む)
128名
<外来>再来 388名
<入院> 2名

後期研修プログラム

初期研修で全般的な知識と技能を身につけた後、感染症内科医としてさらに研鑽を積みながら、内科専門医及び感染症専門医の取得を目指し3年目以降の進路を考えます。
その中で、大学院への進学も積極的に進めており基礎研究(薬剤耐性菌の分子疫学的研究や感染症の宿主免疫応答など)を、多施設とも共同で研究を行っております。
さらに、当院で得られた知見をもとに血液培養陽性例の解析や感染管理に関する臨床研究も行っております。(詳しくはホームページをご覧ください。)

当科では特にトレーニング期間を設けておりませんが、大学院に進学した後もスタッフと協力して感染症診療および感染管理に携わることが可能です。
当科の感染症トレーニングは病院における感染症診療?感染管理にとどまらず、実験室での分子疫学解析、病態解析に加え、感染症危機管理、感染制御ネットワークなど地域における感染症マネジメント能力を取得することを目標としています。

具体的な病院業務は以下のとおりです。

  1. 感染症コンサルタントを受け、主治医の適切なサポートします。
  2. 血液培養陽性者や耐性菌検出例に関しても当方から出向き積極的に感染症診療、感染管理に関するマネジメントを行う。
  3. 感染症科医がメインで主治医となる不明熱、HIV、熱帯感染症などの入院管理
  4. HIV、結核、旅行医学、予防接種などの感染症外来
  5. 学部学生や初期研修医への指導
    感染症コンサルトに関しては大学病院という特色から移植関連感染症(日本唯一の全臓器移植施設)、免疫抑制者の感染症、心臓血管外科など各種外科術後感染症といった特殊感染症に加え、HIV感染症、寄生虫感染症、腸チフスなどの熱帯病まで様々な症例に曝露することができます。血液培養陽性例や新規耐性菌(MRSAやESBL産生菌など)は全例チェックし、全症例において診療支援を行っております。
  6. 地域における感染症診療?感染症対策の支援
    地域における感染症診療のレベル向上のため、地域セミナーの開催による情報の共有や、集団感染事例への対応、行政や社会全体を含めた感染症対策の地域ネットワーク構築を行っています。
  7. カンファランス
    毎日13:15~臨床ミーティング(当日の血液培養陽性例や耐性菌検出例の臨床カンファランスを行っています。)
    火曜日11:00~感染管理ミーティング
    毎月第4火曜日14:00~リサーチカンファランス(基礎研究?臨床研究)

希望者には、長崎大学や大阪大学の熱帯感染症プログラムへの参加も積極的に推奨しており、当科スタッフでも4名がこれまで参加しています。

短期トレーニングコースへの参加

  • 希望者には国内外の感染症診療、感染管理に関する研修コースを受講可能です。
  • 長崎大学や大阪大学の熱帯感染症研修コース
  • Harvard UniversityとMassachusetts General Hospitalの成人感染症セミナー
  • 米国病院疫学学会(Society for Healthcare Epidemiology of America; SHEA)の医療疫学トレーニングコース

当科で取得可能な資格

希望者には国内外の感染症診療、感染管理に関する研修コースを受講可能です。

  • 日本感染症学会専門医
  • 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医
  • ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター
  • 日本臨床検査医学会臨床検査専門医

東北大学大学院医学系研究科博士課程に進学した場合

  • 医学博士(Doctor of Philosophy; PhD)

他診療科、研修協力病院、専門施設との共同で取得可能な資格

  • 日本内科学会認定内科認定医?専門医
  • 日本呼吸器学会専門医
  • 日本結核病学会結核?抗酸菌症認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本渡航医学会?認定医療職
  • 国際旅行医学会認定医(Certificate in Travel Health(r))
  • 公衆衛生学修士(Master of Public Health; MPH)
  • 実地疫学専門家(Field Epidemiology Training Program Japan; FETP-J)

新患、新入院患者数(2023年度)

新患数 252人
新入院患者数 3人

リンク

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