東北大学病院では、2012年2月より手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しております。現在、総合外科、泌尿器科、呼吸器外科、婦人科、耳鼻咽喉?頭頸部外科領域でロボット支援手術を行っており、2022年8月からは2台目が稼働しています。
手術支援ロボットはストレスの少ない、より複雑で細やかな手術手技を可能にし、3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲の少ない手術が可能となります。
手術支援ロボット「ダヴィンチ」とは
手術支援ロボット「ダヴィンチ」は、患者接続用ロボットアームのある患者カート、モニターなどのビジョンカート、術者が操作するサージャンコンソールの3つから構成され、術者は患者とは離れた場所で、精細な3次元画像を見ながらロボットアームを操作して手術を行います。ロボットアームに装着された鉗子は多関節のため可動域が広く、複雑な動きに対応可能で、吸引などの操作は、患者カート付近で助手が行います。特殊な体位で行われることが多く麻酔科医との連携が不可欠であり、また、複雑なシステムを動かすために高度なトレーニングを受けた手術室看護師、MEなど、専門スタッフの協力が重要となります。
ロボット支援手術のメリット
1. 傷が小さく痛みが軽度。
2. 人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備え、機能の温存率が向上する。
3. 開腹手術と比べて、出血量が少ない。
4. 術後の回復が早く、入院期間が短い。
保険適用
ロボット支援手術は、2012年に前立腺がん、2016年に腎臓がんに保険適用されました。さらに2018年には12術式、2020年には7術式、2022年には8術式と保険適用される手術は年々増えており、ロボット支援手術の普及が進んでいます。保険適用でロボット支援手術を受ける場合、患者さんが負担する費用は通常の内視鏡手術とほぼ同額になります。また、患者さんの年齢?収入などにもよりますが、保険診療では高額療養費制度を利用することも可能です。詳しい費用は各診療科にお問い合わせください。
ロボット支援手術を行っている診療科
泌尿器科
総合外科 肝胆膵?移植グループ
総合外科 下部消化管グループ
総合外科 上部消化管?血管グループ
呼吸器外科
婦人科
耳鼻咽喉?頭頸部外科
当院で行っているロボット支援手術(保険適用あり)
泌尿器科 | 総合外科 | 婦人科 | 呼吸器外科 | 耳鼻咽喉? 頭頸部外科 |
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保 険 適 用 年 度 |
2012 | ●腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 | ? | ? | ? | |
2016 | ●腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術 | ? | ? | |||
2018 | ●腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術 | ●胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 ●腹腔鏡下胃切除術 ●腹腔鏡下噴門側胃切除術 ●腹腔鏡下胃全摘術 ●腹腔鏡下直腸切除?切断術 |
●胸腔鏡下子宮悪性腫瘍手術 ●腹腔鏡下膣式子宮全摘術 |
●胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 「肺葉切除又は1肺葉を超えるもの」 ●胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 ●胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 |
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2020 | ●腹腔鏡下腎盂形成手術 | ●縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術 ●腹腔鏡下膵体尾部腫瘍切除術 ●腹腔鏡下膵頭部腫瘍切除術 |
●腹腔鏡下仙骨膣固定術? | ●胸腔鏡下拡大胸腺摘出術 ●胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術「区域切除」 |
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2022 | ●腹腔鏡下副腎摘出術 ●腹腔鏡下副腎髄質腫瘍摘出術 ●腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術 |
●腹腔鏡下肝切除術 ●腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 |
●鏡視下咽頭悪性腫瘍手術 |