特色
子どもは歯科治療が苦手です。紹介されてくる患者さんの多くはそんな子どもたちです。歯科治療が苦手なお子さんでも、ほとんどの子が数回通い、周りでおとなしく治療を受けている同年代の子どもの様子を見られるようになると、不思議とおとなしく診療を受けられるようになります。どんなお子さんでも安心して治療が受けられるよう、診療室は明るく優しい雰囲気作りに努めております。日本小児歯科学会認定の専門医指導医および専門医を含む小児歯科診療を専門に研修したスタッフが診療いたします。
診療対象は虫歯だけではありません。子ども時代は、乳歯が生え、乳歯が生え変わり、永久歯が生え、歯並びが完成する時期です。その際には様々な問題が生じる場合があります。歯の生え変わりの問題が生ずるのもこの頃です。大人の歯が1本から数本ない場合もあります。よけいな歯がある場合もあります。また、活発な時期ですので、歯をぶつける場合もあります。そんなこんなに、適切な時期に適切に対処いたします。
- 小児の虫歯の治療と予防
- 小児の歯の外傷
- 乳歯と永久歯の生え方の異常の治療や、機能的な歯並びへの育成
- 全身的な病気をもつお子さんの歯科治療と虫歯の予防
- 唇顎口蓋裂をもつお子さんの0歳からのお口の健康管理
- 全身麻酔のもとでの歯科治療
以上を一言でいうと「長期にわたる低年齢からのお口の健康管理」です。
診療室の雰囲気
保護者の方で診療をご覧になりたい方は入室していただいています。
当科での治療の流れ
初めて来院した日
診査、応急処置(痛み、腫れなどがある場合)
必要な処置は直ぐに行います。
↓
担当医による診査
歯磨き指導
? ? ? 虫歯にならない方法などをお教えいたします。
↓
治療
主訴だけでなく口の中全体を、相談しながら治療します。
↓
定期的な治療管理(3~6ヶ月毎)(18~20歳ごろまで)
虫歯や歯ぐきの病気の再発がなく、きれいな歯並びをめざします。
局所麻酔を用いて治療いたします
虫歯の治療をする際には局所麻酔(注射です)を行います。麻酔をせずに虫歯の治療をするよりも、はるかにスムーズに治療をすることができます。幼稚園に入園したお子さんならすぐに慣れてくれます。
ゴムマスク(ラバーダム防湿法といいます)を用いて治療いたします。
歯に金具をはめて、治療をする歯だけをゴムマスクの外側に出します。こうして、治療する歯を舌やほっぺたの粘膜から隔離することによって歯を削るときに安全に行うことができます。
また、唾液から歯を隔離することができます。
虫歯を削った穴に詰め物する際に確実に行うことができます(削った穴に唾液がついていると、詰め物をする際に確実に行うことができません)。
歯の神経の治療をする際に清潔な状態を保つことができます(唾液の中には細菌がたくさんいます)。
歯磨き指導、食事指導を実施しております
当科に受診なされた後、ご希望に応じ、保護者の方へのご助言を行っています。虫歯のでき方、予防法、歯磨きの仕方、おやつの食べ方、歯をぶつけてしまった場合の応急対処の仕方などをお教えいたします。
子どもの虫歯の特徴とその予防法(シーラントについて)
子どもの歯(乳歯や生えたばかりの永久歯)は大人の歯(生えてからある程度時間の経った永久歯)とは別の配慮が必要です。たとえば、虫歯の進行は速く、見つけたときにはとても深いことがよくあります。特に奥歯の咬むところの溝はあっという間に虫歯になってしまいます。この溝を埋めることによって虫歯から守ることができます。これをシーラントといいます。
左の図は7歳の子の生えたての永久歯(奥歯)の咬むところです。少し黒くなっているところが虫歯の穴の入り口です。右の図は、虫歯の部分を除去したところです。もう少しで歯の中の神経まで達するところでした。子どもの歯ではこのように短時間のうちに虫歯が進行してしまいます。
奥歯の咬むところです。左の図の溝の部分からすぐに虫歯になってしまいます。右の図ではこの溝の部分を白いもので詰めています。このようにすると虫歯の予防に効果的です。この予防法に加え、日常の歯みがきや、おやつの食べ方などにも注意していただく必要があります。
子どもの歯も抜いたままにしておいてはいけません
「乳歯の下には永久歯があります。だから、乳歯を虫歯で抜いてしまっても、その下から永久歯が生えてくるからだいじょうぶ。」これは必ずしも正しくありません。永久歯が生えてくる時期よりもずっと前に(2、3年前)乳歯を抜いてしまうと、抜いたところに、回りにある歯が寄ってきてしまって、永久歯が生える場所がなくなるなど、歯並びに影響が出ることがあります。小学校の低学年までに乳歯の奥歯を抜かなければならなくなった時は要注意です。このような場合は、子どもでも入れ歯などで永久歯が生える場所を確保する装置が必要です。しかし、このような装置は一部公的医療保険が適用されない場合もあるため、担当医と相談してから行うようにしています。
大人になっても健康なお口が維持されることを目指します
当日に行わなければならない処置は直ちに行い、当科での治療の説明や虫歯にならない方法をお教えしながら、治療を進めて参ります。治療が終了した後でも、ご希望に応じて、その後も、虫歯だけではなく歯肉や粘膜の病気、歯並びなどの治療を行いながら、健康なお口の維持を目指します。
小児歯科の役割
幼児あるいは小?中学生を対象に、お口の健康管理を長期にわたって行っております。小さい時から虫歯?歯肉の病気?歯ならび?歯のけがなどの治療や予防を行いながら、健康な永久歯の歯ならび?かみ合わせをつくりあげていきます。生涯にわたってお口の健康を維持していけるようにするための基礎づくりをするところです。
また、当科では、心臓や血液、その他いろいろな全身的な病気をもつお子さんの虫歯の治療や、総合的なお口の健康管理にも積極的に取り組んでおります。歯科治療を行うときにさまざまな配慮を必要とする場合には、関連する各医療機関と連携を取り合って進めていきます。
年間症例数(2023年度)
のべ患者数 | 12,318名 |
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外来患者新患数(2023年度)
新患数 | 538人 |
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