東北大学病院 病院長
張替 秀郎
東北大学病院はこれまで百有余年にわたって、日本の医療の発展に貢献してまいりました。同時に、東北地方における医療の要として、最先端の医療を提供するとともに地域医療を支えてきました。3.11東日本大震災により大きなダメージを受けた東北地方は、高齢化?過疎化がすすみ、解決しなければならない医療課題が山積しています。様々な革新的医療技術を積極的に取り入れるとともに優秀な医療人材を育成し、東北地方の医療の向上と課題解決にむけて力を尽くすことが、東北大学病院の重要な責務と考えています。
一方で、東北大学病院は厚生労働省から「特定機能病院」に指定されており、高度医療を安全に提供するだけでなく、高度医療の開発や研修をその使命としています。高度医療の開発については、我が国で最初に認定された「臨床研究中核病院」の一つとして、総合大学としての強みを活かしながら様々な企業とともに、国際的水準の臨床研究や創薬、医療機器開発を積極的に実施しています。また、がん診療においては「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されており、東北メディカル?メガバンク機構、医学系研究科と密に連携し、高度ながんゲノム医療を展開しています。
このような医療の高度化に伴い、医療安全や医療倫理が以前にも増して重要になってきています。医療の安全は高度医療や先進医療ばかりでなく、日々の医療業務のすべてに求められます。東北大学病院では、医療安全のための専従の医師、看護師、薬剤師などからなる「医療安全推進室」を中心に、職員の医療安全や倫理教育を行い、一丸となって、日々、安全安心な医療の提供に取り組んでいます。
東北大学病院の理念は「先進の医療を優しさとともに」です。患者さんに寄り添い、最善の治療を提供すること、高度な技術を駆使し、難治性疾患や希少疾患を含めたあらゆる疾患に立ち向かうこと、そして、すべての人の健康的な生活のために、未来に続く持続可能な医療の実現に向けて努力することを意味します。
この理念のもと、当院教職員は一丸となって、患者さん一人ひとりにより良い医療を提供し、病院のさらなる成長と発展を目指してまいります。