病棟 | 西病棟 4F | 外来 | 先進医療棟 B1F |
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外来受付 | Tel : 022-717-7732 | 独自webサイト | 東北大学病院 放射線治療科 |
対象疾患 | 悪性腫瘍/ケロイド/血管腫 |
対象疾患と診療内容
当科における診療は悪性腫瘍に対する放射線治療を中心に行っております。
対象となる疾患はほとんどすべての悪性腫瘍ですが、ケロイド、血管腫などの良性疾患に対しても適応があれば放射線治療を行います。放射線治療には直線加速器による外部照射と密封小線源による腔内照射や組織内照射があります。外来では、まず、放射線治療の適応があるかどうかを、全身状態や、X線写真、生化学検査等で判断いたします。照射適応があれば、どのように治療していくか治療計画を行いますが、外部照射は照射範囲が重要であり、精度の高い治療を行うために、X線シミュレータやCTシミュレータを駆使して照射範囲を決定、その計画にそって治療が進められていきます。この治療計画には時間がかかるため、通常は初診日とは別な日に予約をとるという形をとらせていただいております。強い疼痛や麻痺など、早急な治療が必要な場合はその限りではありません。放射線治療は1回数分間の治療を1日1回、月曜から金曜までの週5回治療で、病状に応じて数回から30回程度の治療を行います。また、1回大線量を集中的に照射して数回で治療する定位的放射線治療(脳転移や早期肺癌、肝細胞がんや腎臓がん)や、3次元的な不整形照射野に照射するIMRTといった最新の放射線治療も行っております。また2022年からはMRIガイドのIMRTであるMRリニアックを導入し、これまで長期間かけて治療を実施してきた前立腺癌をはじめとする複数の疾患で5~10日ほどで治療が終わるようになってきています。
密封小線源治療はIr-192を使用しております。この治療の場合、線源が入るアプリケータを患部に刺入或いは挿入し、局所的に大線量を照射します。さらに限局前立腺癌のうち低リスク群に対するI-125シード線源を用いた永久刺入治療も行っています。この治療は東北地方でもっとも早く導入し、これまで200例以上行っており、良好な結果を残しています。その他、Au-198グレイン線源による治療を頭頸部癌では行っています。また甲状腺がんの患者さんに行う放射性ヨード内服治療や前立腺癌骨転移に対する塩化ラジウム223や神経内分泌腫瘍に対するLu-177 DOTATATE内用療法も行っています。
以上のように放射線治療は比較的特殊な治療法であり、このような治療に備えて26床の病床を準備しておりますが、照射範囲によっては通院治療も可能です。また、放射線治療効果を高めるために、化学療法を併用する場合もあります。
当科は日本放射線腫瘍学会やその他の学会とのつながりも深く、日本の放射線治療をリードしていく立場にあります。
特色
各科との連携を密にとり、最善の治療が行えるように努力しています。
特殊検査、特殊治療、研究
- 特殊治療
脳および体幹部病巣に対する直線加速器による定位放射線治療
強度変調照射法(IMRT)
密封小線源治療 - ダイナッミクMLCを応用した呼吸移動追跡照射法の開発と研究
- AIなどによる腫瘍の放射線感受性予見に関する研究
- 早期の癌に対する標準的放射線治療方法確立のための研究
- 機能画像の放射線治療への応用
- 再発癌に対する放射線治療の標準化
主な医療機器、設備
- 放射線治療装置
ライナック(直線加速器) 3台 MRリニアック 1台 腔内照射装置(RALS) 1台 前立腺組織内照射システム 1台 - 放射線治療計画装置
X線シミュレータ 1台 CTシミュレータ 1台 計画用コンピュータ 16台
年間症例数
(2023年度)
年間新患数 | 1197症例 |
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脳/体幹部定位放射線治療 | 301症例 |
強度変調放射線治療 | 480症例 |
Ir192RALS | 67症例 |
甲状腺I131内服治療 | 75症例 |
Lu-177 DOTATATE内用療法 | 28症例 |
新患、新入院患者数(2023年度)
新患数 | 231人 |
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新入院患者数 | 410人 |
※院内紹介による新患数を含めると1197人
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