あいさつ
臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、健康な臓器を移植し機能を回復させる医療です。日本で臓器の移植を待機している方は、およそ16,000人です。それに対して移植を受けられる方は、年間およそ600人にとどまります。
2010年7月に臓器移植法が改正され、ドナーカードや免許証などによって臓器を提供する意思を表示している場合に加え、ご本人の臓器提供の意思が不明な場合もご家族の承諾があれば臓器提供ができるようになりました。
多くの人が亡くなるとき、心臓の活動が停止し、その結果として脳の機能が停止します。脳死では、心臓が停止する前に脳の機能が停止し、回復することができなくなります。現在行うことのできるどのような治療を行っても、脳機能が回復することはありません。人工呼吸などの集中治療によって生命を一定期間維持することはできますが、元通りに元気になることや、永く生命を維持することはできません。
本院では、ご家族のみなさんとともに、どのように患者さんの最期を迎えるのがよいかを考えていきます。そして、ひとつの選択肢としての臓器提供を選ばれたとき、患者さんとご家族の意思を最大限に尊重することが、わたくしたち臓器移植支援室の役割です。
患者さん、ご家族のみなさんに寄り添い、一緒に考えていきます。